内容説明
日本はあらゆる金融資源を投入して米ドルの価値を最終的に維持しなければならないという立場におかれている。 これが「マネー敗戦の構造」と呼べるものであり、経済政策の自主性を失わせている。長期にわたる経済の惨状の 原因でもある。一方、アメリカはこのような日本の存在を前提とし、つまりその金融資源を自由に費消することに よって長期好況を演出することも可能となっている……「失われた20年」を日米マネー戦争における敗北の結果であるとして大きな話題を呼んだ経済学者・吉川元忠が、 中国の擡頭など、グローバリズムの新展開を見据え、新たな国民経済の構想を語る。