内容説明
しなやかな知性が実践する読書術!本が本を呼ぶ読書の醍醐味。一冊の本は、それ自体ひとつの完結した世界であるには違いないが、それはまた、広大な知的遺産の海原に浮かぶひとつの島のようなものである。その島の位置づけや役割を理解するには、大小さまざまの他の島々との距離や関係を測ることが必要であろう。時には、一見無関係に見える島も海中の深いところでつながっていることもあるし、遠く離れた島のあいだに新しい航路を開けば、それまでにない新鮮な風景が見えて来ることもあるだろう。それはちょうど、絵画に描かれたある人物なり物が、他の人物や事物との関係によってその意味や位置を明らかにするのに似ている。——あとがきより