内容説明
言語の本質は対話である
単数でもなく複数でもない、「双数」の秘密とは何か──? 言語の比較研究にもとづく独自の言語哲学を樹立し、「言語はエルゴン(作品)ではなくエネルゲイア(活動)である」と唱えた哲学者フンボルト。現代思想に大きな影響を与えた対話的言語論の白眉。
「言語の本質は対話である」 というフンボルトの主張は、言語は話し手と聞き手を前提してはじめて可能だといった程度の主張ではない。むしろそれは、「話すこと」と同時に「聞くこと」が言語の本質的な構成契機であり、「話すこと」は「聞くこと」につねに浸食されているという主張なのである。……語り手自身もみずからの伝えたいことが聞き手に伝わっているかを知る手立てがない。誰一人として他人とまったく同じことを考える者はいない。言語の理解はいつでも不完全であり、非理解を必然的に含むのである。「すべての語られたものは語られていないものをつくりあげ、準備する」──訳者解説より
双数について
第一章 双数一般の本性について
いくつかの言語における場所の副詞と人称代名詞の類縁性について
人間の言語構造の相違について
第一章 一般的言語学と本書の特殊な目的について
第二章 言語の本性とその人間一般との関係について
訳者解説 あらゆる言語理解は非理解である
──フンボルトの対話的言語論
人名索引
単数でもなく複数でもない、「双数」の秘密とは何か──? 言語の比較研究にもとづく独自の言語哲学を樹立し、「言語はエルゴン(作品)ではなくエネルゲイア(活動)である」と唱えた哲学者フンボルト。現代思想に大きな影響を与えた対話的言語論の白眉。
「言語の本質は対話である」 というフンボルトの主張は、言語は話し手と聞き手を前提してはじめて可能だといった程度の主張ではない。むしろそれは、「話すこと」と同時に「聞くこと」が言語の本質的な構成契機であり、「話すこと」は「聞くこと」につねに浸食されているという主張なのである。……語り手自身もみずからの伝えたいことが聞き手に伝わっているかを知る手立てがない。誰一人として他人とまったく同じことを考える者はいない。言語の理解はいつでも不完全であり、非理解を必然的に含むのである。「すべての語られたものは語られていないものをつくりあげ、準備する」──訳者解説より
双数について
第一章 双数一般の本性について
いくつかの言語における場所の副詞と人称代名詞の類縁性について
人間の言語構造の相違について
第一章 一般的言語学と本書の特殊な目的について
第二章 言語の本性とその人間一般との関係について
訳者解説 あらゆる言語理解は非理解である
──フンボルトの対話的言語論
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